SpeaksとTrendsの発刊(2)

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昨日投稿した「SpeaksとTrendsの発刊(1)」に続いて、5月14日に発刊した刊行物は"The Food Retailing Industry Speaks"と"U.S. Grocery Shopper Trends"についてご案内いたします。


両刊行物ともに、Food Storeにてご購入いただけます。PDFでのダウンロードはそれぞれ、FMI正会員(小売・卸売企業)が145ドル、FMI賛助会員が225ドル、非会員が300ドル。印刷物でご希望の方はそれぞれ、FMI正会員(小売・卸売企業)が95ドル、FMI賛助会員が175ドル、非会員が250ドルです。ご検討くださいますようお願い申し上げます。


併せて、両刊行物のトピックスをまとめました。以下は、業界の現状をまとめた "The Food Retailing Industry Speaks"のトピックスです。消費の現状をまとめた "U.S. Grocery Shoppers Trends" のトピックスは本ニュースルーム内「Speaks と Trendsの発刊(1)」の記事をご参照ください。

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好調な売上増はインフレによって相殺され、小売企業はPB商品を強化


スーパーマーケット業界の2008年の売上は5.2%増加した。同一既存店を調査したところ、売上は4.5%増であった。しかし、5月14日にFMIが発刊した”Food Retailing Industry Speaks”2009年版によると、昨年の家庭内で消費される食品の物価上昇率は5.7%であり、売上増は物価上昇率によって相殺された形だ。この物価上昇率を調整すると、売上は0.5%減、同一店舗売上は1.2%減となる。


食品小売業界の純利益率は1.82%から1.43%に下降した。これは、景気後退で縮小する消費支出を企業間でより激しく奪い合ったことによる。この結果の要因として、数あるコスト項目の中でも、商品コスト、健康保険、クレジットカード取扱料の増加が挙げられる。独立系小売企業(店舗数が1~10店舗)では、最高の純利益率、同一店舗売上増を記録した。独立系小売企業の純利益率は1.90%、同一店舗売上は5.11%増であった。


「現代史で最も難しい経済状況下にありながら、食品小売業はその柔軟性を発揮した。小売業はアメリカの家庭の食費を抑えるため、果敢に売価を引き下げ、PB商品のラインを拡大した。同時に、スーパーマーケットの特性である効率性と生産性をさらに向上させることでコストを制御し続けた」とFMIのプレジデント兼CEOのレスリー・G・サラシンは述べる。


経済状況悪化で戦略的問題への懸念増加
小売企業の中では、将来を考えたとき、さまざまな問題への影響を懸念する声が増えた。特に、業界への影響が広がりつつある経済状況についての懸念が目立った。10点を最高とし1から10で2009年から2010年に予想される問題の懸念度を評価してもらったところ、2008年の評価と比べてほとんどすべての項目で評価が上がっていた。FMIはこの懸念度を6年前から調査しているが、初めて、「競争」と「経済」の2項目において、小売企業は8.0ないしはそれ以上の評価を受けた。実際、「経済」への懸念度は2007年の5.9から8.7へと飛躍的な上昇を示した。また、「競争」「経済」以外の6項目の将来への懸念は、7.0ないしはそれ以上と評価された。


食品小売業は低価格強化、PB商品が急成長
スーパーマーケットは消費者の低価格な食品への要求に次の3つの方法で応えている。
第一に、低価格を競合戦略として強化する企業が著しく増加した。2008年には69.9%だったが、今年は78.4%という結果であった。この戦略の成功度を1から10で評価してもらったところ、昨年の6.9から今年は7.3へと上昇した。
第二に、小売企業は以前よりもPB商品を際立って増やしている。それは次のような数値からも明らかだ。
・PB商品は現在、典型的なスーパーマーケットの取扱品目の9.7%を占めるまでになった。
 2007年の7.5%、2008年の8.1%から着実な増加を示している。
・10社中9社以上の小売企業(93.3%)が来年にはPB商品取扱品目数を増やす計画である。
・スーパーマーケットでのPB商品の売上高は、総売上高の15.5%を占める。2007年には
 11.5%、2008年には14.0%であったので、これも着実な上昇を示している。
・直近の会計年度のPB商品の売上は、対前年比で10.8%増であった。これは、食品小売
 業界の総売上の増加率の2倍以上、NB商品の売上増加率の2.5倍にあたる。
・小売企業10社中9社がPB商品を競合戦略の核ととらえ、その成功度を7.1と評点している。
FMIは、PB商品の成長の可能性をさらに高めるための情報収集の場を業界リーダーに提供する目的で、『プライベート・ブランズ・サミット』を6月14日から16日の3日間、ニューヨークで開催する。


第三に、半数のスーパーマーケット(50.7%)はフリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)もしくはロイヤルティカード・プログラムを通じて、割引を提供している。その成功度は昨年の6.4から7.3と大きく評価を上げている。


変化する顧客の要求に対応して品揃え再編成を実施
景気後退によって変化する顧客の要求に歩調を合わせる努力の成果は品ぞろえに表れている。2008年、食品小売企業は、商品ミックスを大幅に調整した。消費者の購買動向をFMI発行の”U.S. Grocery Shopper Trends”2009年版でみると、69%の消費者が景気後退は食品・日用雑貨の買い物に影響を与えていると回答した。


典型的な店舗では、2000品目の商品を新たに品揃えし、同数の商品をカットした。4分の1の食品小売企業では、店舗の20%以上の商品を切り替えることで、通常の2倍以上の品目数を入れ替えた。


消費者ニーズに合わせて商品構成を再編成したので、品揃え再編成の努力は主要な生産・効率レベルを向上させる結果となった。たとえば、
・在庫回転率が、2006年の13.50、2007年の15.60から、16.43に向上した。
・1時間当たりの売上高が2006年の133.31ドル、2007年の138.90ドルから、
 145.51ドルへ上昇した。
・1平方フィート当たりの売上高が2006年の7.32ドル、2007年の8.01ドルから、
 8.32ドルへ上昇した。


生鮮食品、健康、健やかな生活へ重点を置く
スーパーマーケットは価格の割引以外の戦略を追求し続ける。ほとんどすべての企業(97.3%)が競合に勝ち抜くために生鮮を強化している。その成功度を8.1という評価を得ている。しかし、2008年から8.4から若干下がっている。


広告費用は変わらないが、より集中的投下に
景気後退にも関わらず、広告費は中央値で売上の1.00%と、以前と変わらない。小売企業は広告費をより効果的に使う努力を続けている。マスメディアではなく、より対象を絞り込んだ広告を行っている。実際、新聞広告は広告費の半分以下の48.6%になった。前年の52.2%からの落ち込みである。同じく、ラジオやテレビ広告も落ち込んでいる。


スーパーマーケットでは電子メールへの配信チラシを含めたダイレクトメールを増やしている。DMにかかる費用は、広告費全体の16.7%(前年)から18.9%に上昇した。小売企業は購買してもらえる可能性がより高い顧客に広告費を投入するために特定の郵便番号へ絞ってDMを配信している。


小売企業は広告費の一部を地域社会への寄付に費やすようになった。寄付金の比率は、広告予算の3.9%から5.8%に増加している。


調査方法
この報告書のデータは合計店舗数13,641店を運営する87社を対象とする。同時に、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)や米国労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)、統計局(Census Bureau)のデータを参照した。また、”U.S. Grocery Shopper Trends”2009年版、”Fact About Store Development” 2008年版、”Annual Financial Review”2007~2008年版など、他のFMI分析も参考にした。